戸出によっといで

Sugimoto-ke housing revitalization activities

杉本家住宅様・再生活用活動について
    戸出コミュニティセンター前にひときわ目立った趣を放つ古ぼけた町屋「杉本家住宅」。
    街道に面したミセノマには蔀戸(しとみど)が残り、屋根の勾配もゆるく板葺き石置きの頃の角度が保たれており江戸末期~明治初期の様式ではないかといわれています。

    明治33年(1900)に起きた高岡大火により高岡中心市街地には古い町家は残っておらず「この杉本家住宅が高岡市で最も古い町家なのではないか」とも。(その他、戸出市街地では戸出新田町には明治8年築造の町家もあるとも。戸出市街地は歴史的な町家の宝庫です。)

    私たちは以前より「この町家を戸出市街地の賑わいづくりに活用させていただけないか」と所有者のかたに相談を持ちかけておりました。2023年春、所有者のかたより了承をいただくことができました。

    2022/10/16(日)「杉本家住宅勉強交流会」
      「まずは一度現地の見学会を開いて、意見を出し合うのが良いだろう」ということで現地見学&意見交換会を開催しました。
      思っていたよりもたくさんの、そして多彩な方々にお集まりいただき、活用再生のためのアイディアを出し合いました。






    2022/12/11(日)「杉本家住宅おかたづけ会」

      まずは不要な残置物の撤去が必要だ、ということで「おかたづけ会」を開催し、主に主屋1階の残置物を玄関近くまで運ぶ作業を行いました。(参加者数:11名)


      同日、最低限の冬季降雪対策として雨漏りしている屋根へのブルーシート掛けを行いました。(2名)

    2023/6/4(日)「第2回 杉本家住宅おかたづけ&交流会」
      昨年12月で終われなかった残置物撤去作業を行いました。主屋2階、敷地奥の蔵周辺の残置物を玄関近くまで運ぶ作業を行いました。(参加者数:11名)
      作業終了後は、風月食堂へ移動し昼食を取りながら、江戸時代初期(元和3年)以来400年以上の歴史を持つ戸出にふさわしく再生させたいといった話をしました。








    2023/10/18(水)専門業者に残置物廃棄依頼
      不用品片付け事業者・荒木商会さんにこれまでに集めた残置物の廃棄を依頼し、撤去していただきました。

      (撤去前)

      (撤去前)

      (撤去作業)

      (撤去後)

      (撤去後)

    2023/10/20(金)大掃除。一般開放イベントに向けての下見。雨樋い故障による雨だれ対策
      一般開放イベントができるように有志にて大掃除。拭いても拭いても足の裏に埃が・・・


      有志によって手作りされた看板を搬入。カフェ&山野草展示の打ち合わせ


      雨樋いが壊れていて軒先に滝のような雨だれ。そして屋内にも水びたしであることが判明




      ポリカ波板と、現地の木材を使用して応急処置




    2023/10/31(金)実測調査(参加者数:4名)

      NPO法人とやまヘリテージ協議会のヘリテージマネージャー、金沢職人大学校修復専攻科生、
      富山大学芸術文化学部生ら4名で実測調査を行いました。

    2023/11/04(土)一般開放イベント「一日限定カフェ&秋の山野草展」
      戸出地区文化祭(2023/11/04~05)に合わせて、地域の方々に向けた杉本家住宅の一般開放イベントを開催
      戸出によっといで有志による「一日限定カフェ」、戸出山野草愛好会の方々には秋の山野草を展示していただきました。


      なんてことでしょう。こんなに素敵なカフェスペースに変身!

      反対方向から見たカフェスペース

      カフェスペース(ミセノマ)からナカノマ方向

      ナカノマ

      ナカノマから仏間

      玄関間

      カフェカウンター



      カフェスペースは予想以上に盛況でした。久しぶりに再開された地域の方々の会話に花が咲いていました。
      (こんな場所が「一日限り」ではなくて常に地域にあれば良いなぁ)

      急きょ、高岡市戸出町が誇る豆腐の銘店「とうふや孫兵衛」さんのご主人によるギターの生演奏披露もありました。本当に良い雰囲気の空間がここにはありました。
      あまりに好評だったため「一日限定(11/04のみ)」の予定でしたが、11/05も一般開放イベントを延長することにしました。

      地域のかたからは、
      「電気配線が懐かしい」「障子戸が美しい」「漆塗りの戸が綺麗」「一度壊したらもう二度と見られなくなるモノばかり。是非がんばって残してほしい」といった声を多数伺いました。
      なかには、
      「子供の頃にこの家のおじいさんと遊んでもらっていた。建物の中は80年くらい前と全然変わっていない」
      といった思い出話を語っていただけるかたもいらっしゃいました。


      夜は、シネマティックアーキテクチャ東京(CAT)さんによるプロジェクションが行われました。
      北陸が舞台となった文学作品(小説、映画、漫画、アニメ)を題材とし、ワークショップ参加者が作成したアート作品を杉本家住宅外観へ投影しました。